猫の応急処置、異物誤飲・中毒・溺水・ケガ・ヤケドなど症状別の手当と対処法

猫を室内飼いしていても、猫は好奇心から思わぬ事故でケガをすることがあります。

 

もし、愛猫が突然ケガをしてしまったときは、飼い主が落ち着いて、冷静に状態を把握する必要があります。

 

今回は、事故でケガをしてしまった時の応急処置をご紹介したいと思います。

 

いざというときに飼い主がパニックにならないように、ぜひご一読ください。

異物誤飲したとき

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室内には、猫が口にすると危険なものがたくさんあり、好奇心から口にして飲み込んでしまうことがあります。

 

基本的には猫の口に入るものすべてが誤飲の可能性があると思ってください。

 

猫用のおもちゃ、細い糸や紐、輪ゴム、ヘアーゴム、ビニール袋、アクセサリー類、ボタン電池などは注意が必要です。

 

また、タバコや人間用の薬などは命に関わる中毒症状を引き起こすことがあり非常に危険です。

猫が異物誤飲したときの主な症状

  • 首をしきりに伸び縮みさせてもがく(吐こうとするが何も出ない)
  • よだれを垂らしながら口をしきりにひっかく
  • ぐったりする
  • 呼吸困難
  • 嘔吐
  • 食欲不振
  • チアノーゼ(酸欠で舌、口の中の粘膜、歯茎が青紫色になる)

応急処置・対処法

飲み込んだものを吐き出そうとしているときは、背中から肩甲骨の間あたりを叩いたり、お腹から胸あたりを押して吐きやすくしてあげましょう。

 

口をのぞいて異物が見えるのでしたら、ピンセットや割りばしなどで取り除いてあげますが、無理には行わずに、早めに受診しましょう。

 

もし指でとる場合は奥歯で噛まれると大ケガをするため注意が必要です。

中毒症状

猫は中毒が起きるようなものを飲むことは少ないですが、臭いに敏感で探求心が災いし、鼻からの吸引により中毒を起こしたり、体についた物質をグルーミングすることで口に入ったりすることがあります。

 

食べ物・植物や身近な薬・家庭用品による中毒などがあげられます。

中毒の主な症状

中毒による症状は、口にしたものによって様々ですが、

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 痙攣
  • 不整脈
  • 呼吸不全

などを起こします。

応急処置・対処法

飼い猫が中毒になったと思ったら、まず、毒となるものを猫から離します。

 

多頭飼いなどで周りにペットがいたら隔離してください。

 

「いつ・どこで・どのように」中毒が発生したのかを確認してから、獣医にアドバイスを求めます。

 

中毒になったものによって、応急処置の方法が違いますので、自己判断で無理に嘔吐させようとしないでください。

溺水したとき

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猫は暖かい所が大好きです。

 

特に冬場はお風呂の蓋の上で眠ってしまい何かの拍子で蓋がずれたり、浴槽の縁などから足をすべらせて溺れてしまうことが考えられます。

応急処置・対処法

もし、猫が溺れてしまった時には、意識があるときには、体の水気を拭きとってあたためます。

 

意識がない時には、猫を逆さにして20秒ほどその状態のままにし、その後水を吐き出すため揺すります。

 

揺する時は両足後ろ足関節の上を両手で持って揺するようにすると良いでしょう。

ケガをしたとき

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猫同士のケンカなどで出血した時には、傷口に異物があるかどうかを確認します。

 

異物があれば取り除き、次に水道水で傷口を洗い流します。

 

長毛種の猫は、傷口の周りの毛をカットしてから洗うと良いでしょう。

 

腹部や胸部からの出血は、消毒をした後にガーゼを傷口に当てて止血します。

 

包帯の代わりに筒状のサポーターやストッキングなどに頭と足部分の切込みを入れて着せてあげると良いでしょう。

 

また出血がひどい時には、心臓部に近いところにハンカチなどを巻いて結びます。

 

さらに結び目に割りばしなどの棒状のものを結び、ねじって締め上げます。

 

壊死しないように、10~15分おきにハンカチを緩めます。

 

 

高いところが好きな猫は、飛び降りて、うまく着地できなかった時に、骨折することがあります。

 

歩き方がおかしかったり、立てなかったりしたら骨折を疑いましょう。

 

足を骨折していたら、割りばしなどの棒状のものを添えて、テープなどで巻いて固定します。

 

その上からさらに包帯を巻いて固定し、平らな板などにのせて病院へ連れて行きましょう。

 

もし、骨が露出していて添え木が出来ない時には、猫を横に寝かせて、傷口の下にタオルなどをクッション替わりに敷きます。

 

出血を防ぐためにガーゼを当てて、平らな板などにのせて病院に連れていきます。

 

背骨の骨折は、平らな板にタオルを敷いて横に寝かせます。

 

動かすと神経や血管を傷つけたり、さらに骨が動いたりするおそれがあるために、包帯などで板ごとくくりつけて、固定してから病院へ連れて行きましょう。

見た目は異変がなくても、内臓などが破裂しているかもしれませんので、必ず病院で診察を受けてください。

ヤケドをしたとき

キッチンに出入りする猫は、火をかけてる鍋に触れたり、火を止めた天ぷら鍋に近づきヤケドをすることがあります。

 

また、冬はホットカーペットやストーブでヤケドをすることもあります。

 

部分ヤケドは、患部を水につけて5~10分間冷やします。

 

恐怖と痛さでパニックになるかもしれませんが、初期の手当で治り方が変わってきます。

 

しっかりと冷やしてからタオルで包み、出来るだけ早く病院へ連れて行きましょう。

 

全身ヤケドは、洗面器などの上で、タオルでくるみ全身を水に浸し冷やします。

 

その後冷たい水で絞ったタオルにくるんで早めに病院へ連れて行きましょう。

 

けっして、素人判断で軟膏をぬったりしないようにしてください。

感電したとき

ヒモが好きな猫は、電気コードにじゃれついたり、噛んだりして感電することがあります。

 

万が一感電してしまったら、感電した猫や失禁した尿に触ってはいけません。

 

まずコンセントからプラグを抜きます。

 

プラスチックや木片など電流の通らないものを使って、猫をコンセントから遠ざけます。

 

その後、体をそっと横向きに寝かせてから、心臓と呼吸の動きを確認します。

 

ゴム手袋などをして、片手で猫の頭をしっかり持ち、口を開けさせて、舌を引き出し、気道を確保します。

 

その後、急いで病院に連れて行きましょう。

まとめ

完全室内飼いだから安全安心と思ってはいけません。

 

屋外ほどではありませんが、家の中も危険がたくさんあります。

 

私は、ピースを飼い始めるときに、事故が起こらないように予防はしていたつもりでしたが、冬に電気ストーブを出して、少し目を離した隙に前面ガードから前足を入れてヒーターに触れてしまいました。

 

本当に一瞬の出来事でした。

 

当時、猫の応急処置について全く無知だったのですが、人間の子供がヤケドをしたら冷やすので、とっさの判断で水で肉球を冷やしていました。

 

肉球は少し黒くなってしまいましたが、大事には至らなかったのでホッとしたことがあります。

 

他にも、娘たちが使ったヘアーゴムやズボンの紐などを誤飲してしまったり、ちゅらもお腹が空いたらビニール袋を食べてしまうので要注意です。

 

我が家の対策としては、猫が食べそうなものは片付ける。

 

留守番をさせる時にはケージに入れる。

 

ということを家族で徹底しています。

 

猫も人間の子供のように好奇心旺盛なので、思いもよらぬところで事故が起こることが十分にあり得ます。

 

事故を未然に防ぐことはもちろんですが、万が一事故が起こってしまったときには、飼い主は冷静に対応することが大切です。