猫は犬とは違い、単独で行動すること好み、命令に従う習性がないのだから、「しつけ」なんて無理!!
と思っている方は多いのではないでしょうか。
しかし、飼い主も飼い猫もストレスフリーで楽しみながら「しつけ」ができる方法があれば飼い主にとっても人間にとっても幸せなことですよね。
今回は、「猫の飼い方・しつけ本」にあるような、ただ猫にいうことを聞いて貰いたいための「しつけ」ではなく、猫のことを理解しながら「取引」をしていくしつけ方についてお伝えしたいと思います。
私の飼い猫2歳のピースもこの「取引術」で、「お座り」「待て」「よし」「お手」「おかわり」が出来るようになりました!
猫にしつけは無理?実は叱ることに意味はない!
犬と猫では、体重と脳の重さの比率で見ると、脳の発達具合はほぼ同じで、頭の良さにはそれほど差はありません。
犬は飼い主の言葉を理解して従順し飼い主を喜ばせようとしますが、猫は「自由気ままマイペース」と言われるように、自分の判断で行動し、命令に従う習性がないだけなのです。
だからといって、飼い猫を「しつけ」せずに家の中を自由にやりたい放題させることは、飼い主やその家族、飼い猫にとって快適に過ごすことが出来ませんよね。
ですが、猫に人間と家の中で共存するためのルールを教える「しつけ」をするうえで絶対にやってはいけない叱り方があります。
- 猫を大声で怒鳴る。
- 猫を叩いて叱る。
- 猫を長時間ケージに閉じ込める。
「1.猫を大声で怒鳴る」「2.猫を叩いて叱る」は、「虐待」「体罰」です。
飼い主のことを怖くて、痛みを与えるだけの人と判断してしまい、信頼関係が築けなくなるので絶対にやめましょう!
「3.猫を長時間ケージに閉じ込める」は、わたしの経験上、5分間ほどの短時間であれば効果がありました。
実際に私も飼い猫ピースが食卓テーブルの上に上がった時には、すぐに「ダメ」と言って、ケージに入れていました。
その時には入れっぱなしにはせずに、5分くらいで出してあげます。長く入れてしまうと飼い猫は何故入れられたのかが
分からなくなってしまいます。
以前は、食卓テーブルに上がったら霧吹きを使う方法でやっていましたが、マイペースでおっとりのピースには、「何かかかったような・・・」「今濡れた?」とキョトンとしただけで、全く効き目がなかったです。
この時に初めて猫にも性格があることを知り、「育て方の本」通りにする必要はないのだと思いました。
私は現在、3姉妹の子供と保護猫2匹を育てていますが、「猫育ては子育てと同じ」だと思っています。
子供をしつけるのに、大声で怒鳴っても効き目がありません。
叱るほうがストレスになってしまいますし、これは猫についても同じことが言えます。
子育てが「育児書」通りにいかないように、猫育ても「育て方の本」通りにはいかないのです。
子供の性格によって接し方を変えていくように、飼い猫の性格を知って「しつけ」をしていくことが重要なことではないでしょうか。
猫にはしつけではなく魅力的なディール(取引)を持ちかけよう!
猫と人間が家の中で共存するためのルールを教えてあげる「しつけ」ですが、
人間の求めるルールを守らないことは、猫にとっては本能に従って行動しているだけなので、決して人間を困らせようとしているわけではないのです。
人間世界のルールを猫に教える前に、人間も猫の性質や性格を理解することも大切です。
「猫にあれこれダメ!!」っと教えるより、許容範囲を広げて守ってもらいたいルールを絞り込み、もしいたずらされた時には猫の気持ちになって考えてみることも重要だと思います。
我が家のルールは
- 食卓テーブルに上がらない
- 人間の食事中はケージに入る
- キッチンのカウンターや調理場に上がらない
- トイレは粗相しない
の4点に絞りました。
うちに来た頃は、食卓テーブルに上がったら、霧吹きするをただ繰り返していたのですが、一向に止めてくれませんでした。
でも、行動を見てみると、テーブルに上がる前に私を「チラッ」と見て、上がってからまた「チラッ」と見て「上ってるよ~どうだ!!」っと言っているかのようだったのです。
この時に気づいたことは、ただ単に「かまってほしかった」のです。
それからは、霧吹きは止めて、テーブルに上がったら「ダメよ」っと言ってケージに入れて、ケージから出した後は、たくさん話しかけて頭を撫でてコミュニケーションを取る作戦に変更しました。
「いい子、いい子」と頭を撫でられるのが大好きなピースには、この方法が合っていました。
今では、全く食卓テーブルに上がることはありません。
しかも、新入り猫1歳のおてんば娘「ちゅら」に教育してくれているのか、ちゅらは食卓テーブルに上がったらダメと教えていないのに上がらないのです。
また、人間の食事中はケージに入れて、猫たちも食事タイムにしていますが、「食べ終わったから早く出してニャー」と鳴いた時には、「お姉ちゃん、ごはん」と言うと、娘たちの方を見て、食事中であることを確認し、鳴くのを諦め、自分の寝床に行きます。
言葉を理解することは出来ないが、言葉の音を覚えて反応しているのです。
もちろん、人間の食事が終わったらケージから出して、たくさん「いい子、いい子」と頭を撫でてあげたり、遊んであげます。
猫の知能は、人間におきかえるとだいたい1歳半~2歳くらいと言われていて、単語の数で80語ほど聞き分けられるそうです。
だとしたら
- 飼い猫に「嬉しい言葉」と「嫌な言葉」を教えて、スキンシップを取る。
- 出来た時に嬉しい言葉で褒めて、頭をなでてあげる
この「言葉を掛けながらスキンシップを取ること」が私の考える「ディール(取引)」です。
うちのピースはおっとりマイペースな性格で、スキンシップが好きだからこの方法が使えますが、スキンシップが苦手な猫には出来ません。
スキンシップが苦手な猫には、おやつなどの嗜好品を与える取引が良いかもしれませんね。(与えすぎはカロリー過多になるので注意が必要です。)
飼い猫と意思疎通が出来るようになると、「かまって」「遊ぼう」「今は触ってほしくない」「一緒に寝よ」など気持ちが分かって、猫ライフがもっと楽しくなりますね。
まとめ
猫にも「しつけ」は必要なことです。
ただ叱るだけの「しつけ」ではなく、飼い主が猫世界のルールを理解し、飼い猫の気持ちを考えて、飼い猫の好きなことで「取引」することで、お互いがストレスにならず「しつけ」が出来ることでしょう。
ライター:ガチマヤー