高齢猫、シニア猫がフード(餌)を食べないのは病気?その原因と対処法を紹介

みなさんの中には10歳~14歳のシニア、15歳~高齢猫ちゃんと暮らされている方も多いと思います(以降、シニア猫と高齢猫を合わせて「老猫」と定義します)

老猫になるとさまざまな体調や生活の変化が起き、その中でも食欲の低下は飼い主のみなさんも特に心配するところではないでしょうか?

今回は老猫が食事を食べなくなる原因と対処法についてまとめてみました。

高齢猫・シニア猫がフード(餌)を食べなくなる原因

活動量、基礎代謝低下による食欲低下

猫は歳をとるにつれ一日のほとんどを寝て過ごすようになり、運動もあまりしなくなります。

活動量が低下すると基礎代謝も低下しますので、食べる量が減ることがあります。

ただ、急に減るような場合は病気の可能性も考えられる為、一度獣医さんに診て頂いた方が良いでしょう。

わが家の経験では丸一日食べなければ病院に行った方が良いと思っています。

病気を早期発見することも一つの理由ですが、猫は一度食事を取らなくなるとそこから急激に元気がなくなり、食べさせる事が本当に大変になります。

歯周病や口内炎

歯周病や口内炎ができると、その痛みや異物感によって食欲が無くなることがあります。

食事を食べにくそうにしている場合は、以下のことを確認してあげてください。

  • 歯茎の腫れや歯のぐらつき
  • 口臭はきつくないか
  • よだれを流してないか
  • 口元をきにしている様子はないか(口をくちゃくちゃ鳴らしたり、手で掻いたりするしぐさはないか)
  • 食事を食べにくそうにしていないか

これらの症状が見られる場合は歯周病や口内炎の可能性がありますので、動物病院での受診をしてあげてください。

食べたくても食べられない様子を見ているのは飼い主さんとしてもとても辛いですよね。

口内炎は症状によりますが2,3回の抗生物質の投与で改善が見られるようです。

歯周病は歯周ポケットの掃除やグラグラする歯の抜歯、歯石の除去などが行われます。

こちらは一度治療しても歯磨きなどの口腔内ケアを怠ると再発する可能性がありますので、日ごろからのケアが大切になります。

嗅覚機能の低下

老猫が食欲を失くす原因として、嗅覚の機能低下が挙げられます。

猫はニオイで食事を判断するためニオイを感じられないと食べ物として認識せず、食べなくなってしまうことがあります。

食べるための工夫

お皿や食べる姿勢を楽にする

猫の髭は非常に敏感なので食事中に髭がお皿に触れることを不快に思う猫も多いです。

なるべく底の深いものでは無く浅いお皿を選んであげてみてください。

また、食べるお皿の位置を少し底上げすることで食べる体勢が楽になります。

フードを変えてみる

猫は歳をとると食事の好みが変わることがあります。

わが家のビーフ先生も14歳まではドライフード以外一切口にしませんでしたが、最近ではペーストフードも好んで食べるようになりました。

普段から食べている食事に食いつきが悪くなってきたら早めに食事の幅を広げておくことをお勧めします。

猫は健康や体調維持のために頑張ってご飯を食べようという思考は持ち合わせていない為、気に入らないととことん食べません。

いざというときに食べれるものが限定され過ぎているとフード選びに四苦八苦します。

選び方は高齢猫用の総合栄養食を軸にウェットフードやペーストフードもおやつに取り入れると良いと思います。

ウェットフードやペーストは水分量も多い為、水をあまり飲まない猫には少しでも水分が摂取しやすくなります。

フードを選ぶ際は↓コチラの記事も参考にしてみてください。

猫のシニア・高齢期における食事(餌)の選び方とおすすめは?キャットフードの見直しポイントを解説

お湯でふやかす

ドライフードを38度程度のお湯でふやかすことでフードにニオイが立ち、嗅覚が低下した猫の食欲をそそることができます。

また、歯の悪い猫や咀嚼する力が弱くなった猫にも食べやすくなります。

何をしても食べない場合は

強制給餌も検討する

わが家のビーフ先生は2018年の夏ごろから急に食欲が無くなり、食事をほとんど取らなくなりました。

何度も病院に連れていきましたが病気等の疾患は一切無く、食欲増進剤などの薬も飲ませましたが一切効果がありません。

しかし、3日間全く食べないと大量の脂肪が肝臓に集まり脂肪肝(肝リピドーシス)になってしまうため獣医さんの指示に従い強制給餌を行いました。

脂肪肝(肝リピドーシス)は命に関わる病気で、太っている猫は特になりやすいので注意が必要です。

強制給餌をする場合は必ず獣医さんに相談をしてから行ってあげてください。

抱えている病気や体調によって与えて良いものと悪いものを判断してもらう必要があります。

幸いわが家は強制給餌を行い胃に食べ物を入れることで腸内活動が活発になり食欲を取り戻しました。

与え方は流動食やペースト状のフードを入れたシリンジ(注入器でもよい)の先端を口のわき(口角)から入れ、上顎に向かって少しづつ流す方法が一般的です。

くれぐれも勢い良く流し込まないでください。

暴れる場合はバスタオル等で猫を包み極力暴れないようにし、口の周りが汚れた場合は濡れタオルなどで拭いてあげましょう。

ただ、この食事法は老猫にとってかなりのストレスになるということと、体力を奪うということを忘れてはいけません。

わが家の老猫を救った栄養食

最後にわが家の老猫を元気にしてくれた栄養食をご紹介させてください。

こちらは一部ペットショップやネットでも購入できる猫用の栄養補給食スタミノールです。

容器は金属のチューブ状になっており、歯磨き粉のような感じで餌を絞り出します。

以下の写真のように非常に粘度が高いため、強制給餌の際にシリンジを使わず口を開けさせ、口角から指を入れて舌の上にペーストを乗せる形で与えることができました。

液状では無いためむせることもなく、舌先に乗ったペーストを口でくちゃくちゃしているうちに自然に溶けて胃の中に入っていきます。

栄養価も高く、各種ビタミン、DHA、カルニチン、タウリンなどを補給できます。

Amazonのカスタマーレビューを見て私も購入したのですが、三日間目安量を与えるだけで見違える程状態が良くなりました。

あくまでわが家での話ですので絶対とは言いませんが、与えやすさと栄養価についてはかなり評価させて頂いています。

まとめ

老猫の食欲が低下した際、できる限りの努力をすることは飼い主の努めだと思います。

しかし、飼い主様の中には老猫に対して強制給餌をしない飼い主さまもいらっしゃいます。

これは、どれだけその猫ちゃんが生きてきたかや抱えている病気など様々で一概に何が正しいとは言えません。

最終的には一番長く連れ添った飼い主様がその猫ちゃんの為を思って出した結論に委ねるしかないのです。

ただ、私たちは少しでもそういった状態にならないよう日々努力をしていきたいです。