【高齢猫の飼い方】愛猫が余生を快適に暮らすための準備や介護について

人間と同様に、猫も年齢を重ねるごとに心、体、行動に変化が出てきます。
 
猫の寿命は、人間よりも短いことは分かっているけど、飼い猫には、「ずっと健康で長生きして一緒にいてほしい
と飼い主なら誰でもそう思いますよね。
 
今回は、高齢期の愛猫が、安心してストレスがない環境で過ごすために、飼い主がしてあげられることは何かについてお伝えしたいと思います。

高齢猫に適した住環境

高齢猫

猫の1歳になるまでの最初の1年は、人の18倍のスピードで成長し、1歳ですでに大人の体格、体重になります。

 

1歳~6歳頃は、好奇心が強く、体力もある時期で活発です。

7歳~10歳頃は、見た目は元気ですが、体力は徐々に低下し始めます。

11歳~14歳頃は、走り回ることが減り、動きがゆっくり慎重になってきます。

この頃からが、「高齢期 」となり、人間にたとえると、62歳くらいになります。

そして、15歳頃からは加齢の兆候がはっきりと見られるようになります。

 

個体差はありますが、猫も人間と同じように高齢期になると、日常生活に徐々に支障が出てきます。

 

飼い主は、飼い猫の行動を見て、若いころに比べて、活動性が低下し、毛づくろいや爪とぎをあまりしなくなったり、寝ている時間が長くなったりと「高齢期」の兆候が出た時には、飼い猫がずっと幸せに暮らしていけるように、体力に合わせた快適な住環境を用意してあげる必要があります。

 

・高さがある場所

高齢期になると、以前は軽々ジャンプしていた高い場所にも注意深く慎重になり、躊躇するようになります。

 

もし、飼い猫がじっと高いところを見てジャンプすることをためらうのであれば、筋力が低下しているサインです。

 

キャットタワーは、低いものを用意してあげたり、ケージを使っていたら、ジャンプしてケガをしないように、補助台を置いてあげたり、スロープをつけてあげると良いですね。

 

ちなみに我が家は、3段ケージに100均のワイヤーネットを使って、ケージ内はジャンプ出来ないようにしています。

ケージ

高齢猫には、このワイヤーネットにマットを敷いてあげると、昇り降りしやすいかもしれないので、参考にしてみてください。

 

・寝床

高齢猫は1日の多くを寝て過ごすようになります。

 

自由に寝る場所を選べるように、窓際や暗い場所、ソファーの下など、騒がしくない場所に複数用意してあげると良いですね。

 

・気温の変化

猫は高齢になるとあまり動かなくなるので、気温や室温の変化でストレスになることがあります。

 

夏の蒸し暑さや室内の冷房で体調を崩してしまうことがないように、ひんやりグッズを置いたり、冷房を使うときは部屋が寒くならないように室温調整に気を付けて、寒くなりすぎた時の為に毛布やブランケットなどを置いておきましょう。

 

また、冬も、人間と同じように睡眠中は体温が奪われて寒さを感じやすくなります。

 

寝床の保温力を上げるために猫ベッドを利用したり、フリースを敷いてあげると良いですね。

 

・トイレ

高齢猫が、病気でもないのに体を動かすのが辛くて粗相したときには、トイレを寝床の近いところに置いてあげたり、弱った足腰でも出入りが出来るように浅いトイレを用意してあげてバリアフリーにしてあげるなどの配慮が必要になってきます。

 

猫は環境の変化に敏感なので、いきなりトイレの位置を変えたり、部屋を模様替えしてしまうとストレスになってしまいます。

 

ベッドの近くに新しいトイレを用意してあげた時には、今まで使っていた猫砂を入れたり、トイレの置き場所を徐々に変えていくと良いでしょう。

 

ただし、目の見えなくなった猫はトイレの位置を覚えてトイレに行くため、その場合はトイレの移動はやめた方が良いでしょう。

高齢猫の健康管理とボディケア

・キャットフード

高齢猫になると腎不全のリスクも高くなるため、たんぱく質の摂取量は少し減らす必要があります。

 

これらは高齢用のキャットフードや療法食であれば飼い主が神経質にならなくてもそれらを考慮された配合になっています。

 

療法食を販売している大手メーカーには皆さんもご存知のピュリナワン、ヒルズ、アイムス、ロイヤルカナンなどがありますね。

 

猫の年齢ステージやケアしたい病気によって色々な種類が販売されているので、飼い猫にあったキャットフードを選んであげてください。

高齢猫になると便秘になりやすくもなるので、食物繊維や水分の多いウェットフードなどもバランス良くあげると良いですね。

 

・ブラッシング

猫は年齢を重ねるにつれて動きが緩慢になり、毛づくろいの回数も減ってきます。

 

また、歯周病を患っている猫は口の痛みから毛づくろいをしたくてもできない子もいます。

 

本来綺麗好きな猫にとって、この状態はストレスになることも。

 

毛づくろいの回数が減ってきた猫には、飼い主が代わりにブラッシングや被毛のケアを行ってあげるようにしましょう。

 

飼い主がまめにブラッシングしてあげることで、猫の抜け毛やフケを取って、被毛を美しく保つことが出来ます。

 

また、気づきにくい皮膚の異常や、しこりなどを早期発見することができますし、ブラッシングで皮膚に適度な刺激が与えられ血行が良くなり新陳代謝が活発になります。

 

猫の健康維持のためにも大切なお手入れです。

 

・シャンプー

高齢猫にとってシャンプーは風邪をひいてしまったり、体に負担がかかるのでしっかりと体調を見極める必要があります。

 

もし、顔が汚れていたら、コットンをぬるま湯に浸して絞り、目元や耳、鼻、口元を軽く拭いてあげます。

 

体が汚れていたら、ドライシャンプーやペット用タオル、蒸しタオルなどで優しく拭いてあげましょう。

 

・爪とぎ

高齢になってくると、体力の低下とともに爪とぎの回数も減ってきます。

回数が減り、手入れしないままでいると巻き爪になり、肉球を傷つける原因にもなります。

 

また、高齢猫は爪が分厚くなり出たままになりやすく、絨毯やカーテンなどに引っかかって、運が悪いと捻挫や打撲をすることがあります。

 

飼い主や家族にケガをさせてしまう心配もあるので、定期的(1か月に1回程度)に爪を切ってあげましょう。

 

・病気やケガのリスク回避

個体差はありますが、高齢になりますと、視力、聴力が衰えてきます。

 

家の外は危険要素がいっぱい。

 

交通事故や他の猫との喧嘩が致命傷となり、家に帰って来れないままお別れ・・。という悲しいケースもあります。

 

また、ノミやダニ、ウィルスに感染しないように、老後は出来る限り外には出さずに家の中で安全・安心に過ごさせてあげましょう。

高齢猫のメンタルケア

可愛い飼い猫には、いつまでも元気で長生きしてほしいですよね。

 

しかし、人間と同じように、高齢になると、病気しやすくなりますし、痴呆になったりもします。

 

今まではなかったのに、「夜鳴きをするようになった」「トイレに失敗するようになった」「寝てばかりいる」「徘徊するようになった」などの問題行動がみられるようになったら、

 

ただ「老齢」だからと決めつけずに、病気も疑って受診しましょう。

 

もし病気で介護が必要になったり、痴呆と診断されても、可愛い飼い猫に変わりはありません。

 

残りの余生を穏やかに暮らせるように、また飼い主が後悔することのないように、お世話やコミュニケーションなど出来ることを精一杯してあげたいですね。

まとめ

高齢猫

昔に比べると、猫の寿命ははるかに延びました。

 

高齢になると今まで当たり前に出来ていたことが出来なくなったり、環境の変化に順応できなくなったりします。

 

今はまだ愛猫が若いからという飼い主さんは、愛猫が健康で長生きできるように若いうちから適切な健康管理をしてあげ、今後訪れる高齢期の変化を把握できるように準備をしておきたいですね。

 

また、今まさに高齢猫の介護をしているという飼い主さんは、愛猫ができる限り健康でいられるように、少しでも長生きしてくれるように愛猫と一緒に充実した高齢期を送りましょう。